個人間で車が売れたら名義変更や売買契約書などすることは多いです。
普通は車売却の機会自体多く無いと思うので、ぜひこの記事を保存して都度お使い下さい。
個人間売買の取引手順
- 契約締結
- 手付金の受取
- (名義変更)
- 納車
- 車両代金の全額受取
① 契約締結
最初にいうと契約書は必須ではありません。なくても車の売買は可能です。
なぜ必要か、というと万が一トラブルが裁判にまで発展した場合、裁判官は第一に契約書を見るからです。
民法(目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限)
第五百六十六条 売主が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合において、買主がその不適合を知った時から一年以内にその旨を売主に通知しないときは、買主は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。ただし、売主が引渡しの時にその不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、この限りでない。
いつ不具合が起きてクレームになるか分からない状態がしばらく続くのは精神衛生上よくないですよね…。
だからこそ、保証期間を決めるか契約不適合責任を無効にすることを契約で取り決めるのが大事です。
詳しくは、「車売買での契約不適合責任」の記事をご覧ください。
ちなみに、実情として、年式が古かったり走行距離が大きく、金額の安い車両の売買ではあまり契約書で契約結ばれることは少ないです。代わりに電子記録(メールやSNS)で合意の意図を残しておくという、簡易的な契約の方法もあります。
- 契約書や電子契約
- メールやSNSでの簡易契約
それぞれご説明します!
契約書や電子契約
#100万円以上の車両なら必須
契約書は押印でも良いですが、郵送など結構手間がかかるので電子契約がおすすめです。
契約書を作成する
情報を入力するだけでカンタンに中古車の売買契約書を作ることが出来ます。
「自動車売買契約書ダウンロード」を押すと、Wordファイルをダウンロードすることが出来ます。
契約締結
個人的におすすめなのが電子契約です!こちらの記事では車の売買契約を電子契約で行う手順を画像付きで解説しています。気になる方は併せてお読み下さい。
使うサービスは何でもいいですが、「クラウドサイン」が使いやすくておすすめです。
個人利用程度なら無料で使うことが出来ます。
- オンラインで完結する
- 押印の必要がない
メールやSNSでの簡易契約
#安めの車ならアリ #知り合いの場合も
契約書での契約締結が間違いないですが、メールでのやり取りでも契約自体は成立します。もちろん法的にも有効です。
ですので、メールやSNSのやり取りは消さずにしっかり残しておりましょう。
そして、以下の簡易売買契約を買主の方にお送りして、同意をもらっていることを記録に残すことが大事です。
- 簡易売買契約(メールでのやり取り)
-
以下、4点ご同意頂けましたら、「はい」とご返答下さい。
車台番号:〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
売却金額:〇〇万円
手付金:〇〇円
契約不適合責任:売主は契約不適合責任を負わない
契約不適合責任ありとは、要は引き渡し後も車が故障した時の保証を売主がしなければならないということです。
もし取り決めがなければ消費者契約法上、引き渡し後もしばらくの間、生じた不具合を保証する状態になります。そして、もとからあった不具合なのか、運転による自然消耗かどうかの境が難しいので揉めるというわけです…。
ちなみに、保証を1ヶ月付ける場合は以下の書き方をしてください。
契約不適合責任:売主は引き渡し後1ヶ月以内の故障を無償で修理を行うが、その場合を除き契約不適合責任を負わない。※売主が事業者の場合、例えノークレームノーリターンの現状渡しでの売却したとしても、原則として消費者契約法8条1項5号により契約不適合責任の免責特約は無効です。また、極端に短い保証期間も同様に無効とみなされる可能性が高いです。
② 手付金の受取
車両の売買で売主・買主ともに平等な金銭のやり取りができるのが、この手付金です。手付金とは車両代金の一部を前払いしてもらうことです。
一部車両代を貰う → 車両を引き渡す → 残りの代金を貰う
車の売買の手付金の相場は、1~2割程度です。100万円で売却する場合、20万円を先に前払いしてもらいましょう
金額が安い場合やフリマアプリを使用しているなら、全額前払いが前提でもOKです。
③ (名義変更)
名義変更については売主・買主のどちらが行っても大丈夫です。
- 売主が名義変更を行う場合
- 買主が名義変更を行う場合
それぞれの名義変更パターンについて説明します。
買主が名義変更を行う場合
一般的には買主が名義変更を行うパターンのほうが多いでしょう。
その場合、売主がすることは名義変更に必要な書類を用意するのみです。
- 車検証(自動車検査証)
- 譲渡証明書
- 旧所有者の印鑑証明書
- 委任状
また、名義変更とは関係ないですが以下の書類等も忘れずに納車時に買主に渡しましょう。
- 自賠責保険証
- リサイクル券
- 説明書や整備書
- スペアキー
※自賠責の名義変更は必須ではありませんが、もししてほしい場合は併せて買主に依頼します。
売主が名義変更を行う場合
車の名義変更の方法は長くなるので以上の記事を参照ください!
名義変更は特に買主の車庫証明の発行に時間がかかります。売主・買主共に、余裕を持って納車希望日の3週間前には動き出したほうが良いです。
④ 納車
あとは買主の方と日時・場所を確定させて、いよいよ車の引き取りです。
一般的に買主の方に来てもらうことが多いですが、どちらに合わせても大丈夫です。
以下の書類は意外と、納車時に忘れて後日郵送が必要…なんてこともある書類ですから必ず納車時に渡します。
- 自賠責保険証
- リサイクル券
- 説明書や整備書
- スペアキー
また、名義変更をどちらがするかに応じて以下それぞれ用意しましょう。
- 車検証(自動車検査証)
- 譲渡証明書
- 旧所有者の印鑑証明書
- 委任状
- 新しい車検証
⑤ 車両代金の全額受取
納車の当日または後日には手付金を引いた全額振り込んでもらいます。
もちろん納車日に現金手渡しでもOKです。
最近の銀行はたいてい土日でも即日反映されることが多いので、なるべく早く振り込んでもらうようにしましょう。
とりあえず、振込確認ができたら売却が完了です!
まとめ 〜 契約が大事!
なんといっても、トラブルで被害を被らないためには契約書が大事です。
個人間売買ではスキップしがちな契約の工程ですが、万が一に備えてやっておきましょう。
契約というと難しそうに見えますが、当メディアの「自動車売買契約書作成ツール」を使えば誰でも簡単に作ることが出来ます。
また、名義変更についても「車の名義変更手順(普通車・車検ありの場合)」こちらの記事で初心者の方でもできるように書いていますのでぜひご活用下さい!